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荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論 [読書]

荒木飛呂彦が映画論の本を出すというので
楽しみに待っていました

それこそ魔少年ビーティーの中で
ビーティーがクージョを読んでいたりしていたので
いろいろ好きであろうことは明らかで
ある種のネタ晴らし的な楽しみも期待

とりあえずホラーの定義について
恐怖を与える事を目的としていればホラー
という独自の見解があるおかげで
プレシャスとかノーカントリーまでホラーに入ってくるとか
そういう点が「奇妙な」という感じみたいです

あれだけ安定的に連載を続けて
いろんな漫画家やそうでない人たちと交流しまくったうえに
映画もこれだけ見てるとか
やっぱり時間の流れがちょっとおかしいんじゃないかとか

あと
映画の古典とかについていろいろ出してくるかと思ったら
リアルタイムで見たものを優先という姿勢が割と意外でした

読んでいて面白いのは
自分がいかに怖がっているかを具体的に書いている時に
なんとなくおかしみが入ってくる点で
常に恐怖を意識して
しかもどうも楽しんでる感じが健全な感じで良かったです

文章に極端な修飾単語が使われがちなのは極端な漫画家だから
問題ないです

何しろ恐怖がどう迫ってくるかという点が鑑賞ポイントになっているので
評論家から酷評されてる映画でも楽しんでいる感じがまたナイスです

そして邦楽についても邦画についても肌に合わない感じがいかにもです
別に排除してるわけじゃなくて演出がトロトロしてるのが嫌い
との事ですが
そもそもあまり見てないってことみたいです

リング」と「呪怨」は褒めてるので
そうなると他に何があるんだ?という話もあるのかも

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トラウマ映画館 | 町山智浩 [読書]

TwitterによるRTプロモーションと
風邪映画を断念した事もあって購入を決心し
Amazonは当日配達がロックかかってるので
久しぶりに散歩がてら本探しの旅に出かけて
三軒目の本屋で発見

意外とまだ本屋残ってるんだな

興味を惹かれる映画のオチが
結構あっさり書いてあったりするのは
もう今更文句言う方が野暮

どうせ人の感想を読んでしまうとどんな意見でも影響を受けるタイプなんで
オチ以外読んだ時点で負け
いや
勝ち負けじゃないんだ

要はテレビで見る映画に色々影響を受けるという町山さんの話でもあるわけで
東京じゃ夕方からこんな物騒な映画をバンバンやってたのか
と驚くばかり

さすがに田舎じゃここまで強烈な映画は観られなかった
というか
きっと深夜にはやってたんだろうけど
そもそもつい最近まで映画なんて好きじゃなかったんだった

映画といって思い出すのは
ジャッキー・チェンの一連の拳法ものと
E.T.とかバック・トゥ・ザ・フューチャーとかグーニーズとかのスピルバーグ絡みと
Mr.Booとブッシュマンとザ・カンニングとかコメディばかり
幸せな映画ばかり観てました

ザ・カンニングの好きっぷりは尋常じゃなかったけども
結局昔からバカな話が好きだったという

果たして子供の頃から町山さんみたいにこんな風に何でも観てたら
どうなってただろう
って
多分映画嫌いになってたんじゃないかと

ただ
若い頃に観た映画の話を書きながら
それが最近自分に起きた事とも繋がっていることを
さらりと書いて映画と人生を並べるという楽しみ方も提示してくれてるので
まぁさらりと書かれているそれが楽しみ方っていうには
ちょっとヘビーすぎるんであれですが
なんにせよ参考になるから映画好きには面白い本だと思います

って誰だって読まなくてもわかるよ
という結論に愕然
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愛犬家連続殺人 | 志麻永幸 [読書]

最初に
映画「冷たい熱帯魚」に関してもいろいろ書いているので
ネタバレ嫌な人は注意

その
「冷たい熱帯魚」のネタ元
とされているノンフィクションノベル?

角川文庫バージョンです

え?
ノンフィクション?

と繰り返し確認したくなるのは
文体がハードボイルドな一人称で
内容がずっと凄惨を極める展開が繰り返される
という容赦のなさっぷりのせいです

これがフィクションだったら
ただひたすらに嫌がらせ描写の連続
とか単に悪趣味なだけですが

って
思いつきの悪趣味じゃなくて
リアルな悪趣味ということで
まったくとんでもない

いやもう
映画よりずっとエグいです
気の弱い人は読んではいけないレベル

怪物性が徐々に明らかになっていく展開は
どこまでも闇に沈んでいくタイプの嫌さ加減で
これはこれで怖いです

怪物性という点で言えば
映画の彼よりも上といっても過言ではありません

これを読んで改めて映画のあれがどんだけ怖いかを
再確認ですよ

殺人をはじめとする悪徳が
日常の中に普通に転がってる感じとか
ろくなもんじゃないです

ただ
主人公の立場としては
終始正気を保ちながら極限状態で震えている
小説版の方がスリリングで面白いです

もちろん
映画はそうしたスリリングさとは別の意図があるだろうから
どちらが優れているという話ではありません

なんであれ
あの映画の怪物性に魅了されてしまったような人は
是非これを読むべき

ろくでもない気分になります

虐殺器官 | 伊藤計劃 [読書]

元々SFはあまり読まないのですが
日本のSFのここ最近で一番の傑作が
今年文庫化されたという話をどこかで見て
ずっと気にはしていた作品です

虐殺器官/伊藤計劃



SF特有の聞きなれない用語や
見たことのないテクノロジーという
想像力を強烈に刺激するあれこれに
あっという間に脳が酸欠を起こして
睡眠の渦に巻き込まれつつも
中心にある物語のミステリ性に引き戻されるのと
主人公の子供ハードボイルド感が魅力的で
グイグイと読ませます

おもしろい

作中での犯人役が提示する
平和を享受するための方法というのが
シンプルであるがゆえにわかりやすく
それを容易に行える手段があるならばどうするか?
という点において
SFに期待される先取りした設問を読者に叩きつけ
主人公に極端な選択をしてみせて困惑
とか
こういう作品を読むと感想が無駄に難解というか
単純にまとまりを欠くから困ります

今も世界のどこかで行われている戦闘行為
というのは大人ならば誰でも知っているし
今となってはそこそこ身近な問題ですが
そうは言ってもじゃあ毎日生命の危険を感じているか
というと
海老蔵とかエリカ様報道をのんきに楽しんでいるのが
現実だったりするわけです

この作品を読むことで
そうした感覚の裏にあるであろう現実が
グイと引き寄せられるのですが
それでも読み終わってしまえば
ああ
面白かったと
消化してしまう
という

できれば同じようなテーマで別の面白い作品を
ガンガンと叩きつけていただければ
それがまた一つの考え方のスタンダードとして
本物の世界平和への武器にすらなり得る
とか夢想するのだけど
この優れた作家は既にお亡くなりだというから
世界平和がちょっと遠のいたんだと思います

本気で残念
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弥勒の掌 | 我孫子武丸 [読書]

長距離移動する機会があったので
暇つぶしに購入

久しぶりのミステリ
我孫子武丸作品は基本的には好き
ということで
面白かったです

本というのは読んでいくうちに
自分がその本をどこまで読んでいるのか
というのがわかるようになっていて
それ故にミステリのミスディレクションとかも
まだこれは真相ではないんだろうな
とか
ちょっと良くない読み方ができてしまうものですが
今回はむしろ逆に

ここまできてまだ解決編に入らないんだけど
これ大丈夫か?
という気分になってしまうというタイプでした

大丈夫でした
相変わらずの切れ味

そして無駄に引っ張らないラストの展開
あれよあれよとエンディング

これを読んで思うのは
小説を読むと言うことと映画を観ることの根本的な差で

映像情報を自分でつくっている小説の方が
いわゆる「衝撃的な展開」の
「衝撃」部分が大きくなるという当然の話で

これを映像化してしまうと衝撃もないし
それを無理矢理衝撃的にしようとすると不自然になるしで
結局は全く別の工夫が必要になる
ということで

さらっとさくっと描いてみせる
こういう衝撃だけを狙った作品というのを
映画で作るのはさぞかし大変だろうな
とにわかとはいえ映画ファン的な感想を抱いてしまう
という感想
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東京島 | 桐野 夏生 [読書]

なんだかぼんやりした映画感想を抱えて
これはちょっと原作読まないとな
と思ったので文庫で購入

読了して思うのは
月並な話になりますが
この作家の描く女性の逞しさで
それが容易に憧れたりするようなタイプの
カッコいいそれじゃなくて
本当にもうなりふり構わない感じなので
映画化については
主演が木村多江という時点で
原作の設定を活かした別の作品にならざるを得ない
ということじゃないかと

どちらが優れているか
というのはフェアじゃないということには気付いているものの
あえて言えば
映画で驚愕した展開のほとんどは原作でやっていて
そのどこへ連れて行くかわからない感という
一番の魅力を作ったのは原作だろうから
原作の方が上
ってそりゃそうだよ
いつだって映画は不利ですよ
だからフェアじゃないって言ってるじゃないか

ただ映画は
その原作の乱暴な展開をいただきつつ
どうしたってえぐくなる描写を綺麗にまとめる事で
それなりのエンタテイメントにしているという点で
評価されてても驚かないというかなんというか

というわけで映画のネタバレ込みの詳細感想は以下



さて
まず何よりも映画版で気になっていた時間経過は
当然ながら細かく描写されています

なんと物語冒頭の時点で主人公は5年目ということです

映画ではいろいろな設定が加えられているので
一概に比較はできませんが
語られるエピソード小説と同じだけ時間が経っている設定なら
いくらなんでも木村さんが美貌を保ちすぎ
というか

主人公自体の描写もせいぜい凡庸な容姿としてスタートし
あくまでもただ一人の女性ゆえにちやほやされる
という設定こそが面白みの一つだったのですが
その部分は木村さん主演の時点で切れば良かったんじゃないかと

でも
鏡を見て自分の劣化に泣くシーン?とかあって
でも普通に女優さんが多少汚しメイクをした所で
酷いってレベルにはなっておらず
何で泣いているかは演技で伝わってきちゃったという状態です
気持ちだけ伝わっても見た目が裏切ってるという
木村多江起用の裏目っぷりを確認した気分です

他のキャラの性格などは単純化や省略はあるものの
おおむね原作に忠実なのですが
唯一
窪塚くんが演じたワタナベは
やっぱり窪塚キャラになった時点で原作とは別物でした

1章の最後で居場所を得たように見えた原作ワタナベは
結局はその言動から2章ではサクッともとのポジションへ戻されています
基本的にはこのキャラは無知で物事を考えないキャラとして作られてて
しかもそんな彼が文明のない無人島で知性を手に入れていく
という面白い描写があるわけですが
最初からちょっと超然とした奇人キャラ(すなわち窪塚キャラ)である
映画版のワタナベにはそういった変化はありません

ラストの処理は映画と原作ではちょっと異なっているわけですが
小説の主人公が過去を封印する理由は納得できるものの
映画の主人公が同じような結末を選択するのはちょっと納得しづらいという

映画は変にいい話にまとめてしまったせいで
キャラクターの行動がチグハグになってる気がします

というわけで結局のところ映画の否定になるから
原作は先に読んじゃダメです

でも個人的には映画も原作もそれほど印象に残らないというか
観てる間は楽しめたのだけど
という作品でした

たぶん女性じゃないし
想像力が足りないからだと思います
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告白 | 湊かなえ [読書]

個人的に決めたルールとして
映画化が決定した作品で原作未読のものは
映画を観るまで読まない
というものがありまして

話題になったので買ったものの
昨日まで読めずにいました

映画も面白かった(感想はこちら)のですが
最後まで安心させない造りが本編でもそうなのか
というのが気になったので
心情的に前のめりになりながら一気に読みました

面白い

全編一人称ということで
かなり藪の中テイストというか
客観的な事実が常に確信できない状態で提供されるので
小説として実に不穏な佇まいで
異様な迫力ある物語になっていて面白いです

受ける感触は映画とかなり近いです

映画との比較をもう少し具体的に書くと
映画と小説のネタバレになりますので
いったんアフィで分けます

以下は映画も小説も観た人以外にはネタバレありの感想です



映画化されるにあたって
語る順番の変更はもちろん
小説では細かく描かれていない生徒達の反応など
映像化で必要になる追加の描写がされていたり
映画らしい演出が加わったりしていますが
これらの変更については
見事に成功しているんじゃないかと思います

ほとんどは原作に忠実な映画化と思いますが
大きく違う所の一つが
教師の復讐の第一歩である
「血液」の真相についての扱いです

小説ではその真相とその背景をクルクルと変えていますが
映画では
よりぼんやりとしたものとして詳細は明らかにしません

そうすることで小説では確信的に行動していた少女が
映画内では不安を抱えたまま同じ行動をすることになります

この変化は
もう一つの大きな変更点の一つである
小説最終章の分割時間変更の説得力を増す結果にもつながっています

あのタイミングであの二人が会って話をする事で
原作では最後に一気に知る事になるせいで
ちょっと冗長になるクライマックスのポイントを絞り込むと同時に
とどめの行動のための情報収集を自然に可能にし
復讐者がより一層の鬼と化する描写まで加える事が可能になったわけで
こんな効率的で効果的な改変はないんじゃないでしょうか


ここで間違えちゃいけないのは
小説より優れている
という話ではないという事です

小説は一人一人の「告白」という構成が面白い部分で
このスタイルを守る以上は
あの時点で二人を会わせるわけにはいきません
時間をずらしてあった事にするのは可能ですが
あのスタイルでそうしたことで映画のような効果は期待できません
結局それを伝えるのは最終章にせざるを得ないのです
となると
告発中に他人との会合の内容をたらたら話すのはむしろ逆効果です

それぞれにそれぞれの効果があって
映画は映画化するにあたってちゃんと映画として正しい改変をした
という話です

最後の場面にも大きな追加点が二つ

まずは少年Aに原作にはない嘘をつかせている点
これははっきりと改良だと思いました
あのキャラならしそうな嘘であり
その嘘がばれた時の恥ずかしさといったら半端ないし
こんな効果的な痛めつけ要素を加えるとか
監督は多分ひとでなしなんだと思います

もう一つは
小説では語られないある重要人物の反応を
映画版では語っている点です
小説の読者としては語られないことで想像が広がるので
語られないことも効果的ですが
復讐者の行動としては映画版の方が残酷です
その話が真実かどうかはわからない
ってのも含めて本当に映画はえげつないです
最高

小説版の方がしっくりくる描写ももちろんあります
たとえば少年Bのコンビニ徘徊のくだりとかは
小説版の理由付けの方が狂った筋の通し方がぞっとさせてくれます
映画版ではその前提条件となる映像が無いため
あの行動は単に狂気の行動としてしか受け取れませんでした

ちなみに映画版ではあの映像がAKB48の「RIVER」になってました
今歌詞を読んでみたらちゃんと原作の雰囲気にあわせて
同じ行動をする別の理由を用意したように見えました

でもやっぱり原作の狂気の方が好みです

というわけでこの作品は小説も映画もお勧めです
いや面白かった
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終末のフール | 伊坂幸太郎 [読書]

フィッシュストーリーと同時に購入
結構刻んで読んでようやく読了

滅亡が決まっている世界で
当然のような混乱が
一旦落ち着いた状態になった

という作りモノ感溢れた舞台設定で
いろんな人の決断が描かれています

面白く読みましたが

なんとなく
本当に何となく
こういう混乱で死んでしまうような人達がいなくなった世界
というのがもしかして
作者の好きなタイプの人たちだけが残った世界なのか?
とか酷い邪推をしてしまいました

それくらい登場人物への愛を感じるとか
そういう話

関係ないけど
終末のフールというこの本は
短編の集合で
それぞれのタイトル
○○の○ール
で統一されているわけです
太陽のシール
とか

ハライチを思わずにはいられない
という

終末のフール (集英社文庫)

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フィッシュストーリー | 伊坂幸太郎 [読書]

短編集

去年からの映画ラッシュ
映像化された作品を見れば見るほど
かつてほど好きではなくなったものの
面白いのは間違いない

文字で紡がれた正義が
映像でみると陳腐に見えてしまっているとか
そういう面倒なアレなのか
全然関係ないのか
さっぱりわかりません

あんなにかっこよかった黒澤さんも
なんだか面倒な振る舞いのいけすかない人に見えてしまうのは
映像化の際に変換された違和感のせいなのか
別に堺雅人は悪くないのだけど

なんなんだろうか

密室殺人ゲーム王手飛車取り |歌野晶午 [読書]

去年のこのミスを本屋でパラパラめくっていたら
この作品の続編が出ていることを知って
そういえば不謹慎な設定の小説だったなあと思いだし
面白かったから続編があるなら読みたいと思いつつ
前作の登場人物とかすっかり忘れているので
混乱のきわみにある部屋を適当に漁ってみたら
あっさり出てきたので再読してみました

設定はライブチャットで推理ゲームをしあう匿名の人たち
ただ
その推理ゲームが普通と違うのは
出題者が実際にその犯罪を行っているという事

という鬼畜設定の物語で
映画化とかドラマ化とか多分しないだろうという不謹慎小説

本格ミステリの変化球として
犯人探しではない純粋にトリックの解明のみを追及する
動機とか考慮しなくてはいいというこの形は
たいした発明だと最初に読んだ時に思ったのを思い出しました

再読してみると大オチ以外のトリックとかはすっかり忘れていて
連作短編として再び楽しめて良かったです

正体を明らかにしないための方法で個性を書き分けられてる所も
なかなか嫌な感じに際立ってて
ゲーム的な犯罪サークルという異常世界の構成員を
あくまでも普通の人の一面の顔として描くバランスも好みです

というわけで続編もそのうち読もうと思います

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