映画 イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ [映画]
なにやら各所で評判だったので
気になっていたのと
時間的にいろいろと都合がよかったので
金曜最後の回を鑑賞決定
正体不明の天才ストリートアーティストが監督の
ドキュメント?
なんかストリートアートの真相に迫る
とかなんとかそんな感じ?
ちなみにストリートアートとか
たいして興味も知識もありません
イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ
客入りはぼちぼち
こじゃれた感じのデート映画に選ばれがち
センスの良い感じの格好の人たちが多くて
気後れしちゃいます
最初はだから
ストリートアートの人たちの真実の姿が
意外と悲惨だったり
実は堅い職業の人のもう一つの顔だったり
とか
そういう意外性の物語だと思っていたわけです
あるいは
センスに満ちた人たちが
なぜ自分がストリートで表現するのかを
得意げに語るような作品じゃないかとか
なにしろ客層がこじゃれてたんで
ところが実際の内容は
そんな人たちが唖然とするような
まさかの爆笑ドキュメント
だった
という
さらに
無条件に自分のセンスを良いもの
とする人たちにとっては
悪夢のような展開で
ドキュメンタリーであるという事の攻撃性が
ここまで豪快に発揮されている作品は
初めて見ました
これマジか?
マジでか?
と
繰り返し確認せずにはいられないです
恐ろしい
そして
おもしろい
芸術ってなんだろう?
という疑問を持っている人にお勧め
自分のセンスに疑問を持つ人にも自信のある人にもお勧め
センス全般に興味がない人も
世の中に興味があるのならやっぱりお勧め
というか
本当に映画好きとかサブカル好きとかは
みんなに
全員に漏れなく観て欲しいです
とにかく
これどうよ?って感じ
監督のバンクシーも多分そんな感じです
これどう思う?
というわけで
内容にふれるネタバレ感想は以下
あらすじ書いちゃってるけど
何かを考えるためには作品をみる必要がありますので
興味のある人は是非映画をみていただきたいです

導入から登場する謎の天才アーティストにして
今作品の監督であるバンクシーが語るのは
バンクシーを映画作品にしようとした男の物語
特に何の意味もなく
ただひたすらにビデオカメラを持ち歩き
ただひたすらになんでも記録する癖を持つ男の物語
そんな彼が親戚にストリートアーティストがいたことから
その活動を記録する事になるという展開
男の本職は古着屋で
ちゃんと成功はしているみたいなので
多分いろんなセンスはあるとは思うのです
が
あくまでも彼の立場は記録者
ただ
単なる記録者にしてはアーティストに協力しまくりで
故にアーティストにも受け入れられていきます
そもそも落書き扱いされる篭城芸術家達の仕事は
記録されない限り消されてしまう事が多いので
記録者が求められていた
という側面もあったようです
次々とその筋では有名なアーティストを記録していく男
そんな彼が会いたいと切望していた
世界的に有名なバンクシーとついに接触し
次第に彼に信用されて行動を共にしていく
という展開です
普通の映画をそれなりに数観てきた者としては
自然とこの男が芸術家に触発されて常識を無くしていき
やがて身の破滅を招く
という展開を予想してしまいます
ところが
この男自身も映画内で
おそらく現在の姿で元気に
たびたびインタビューに答えていて
その姿が不幸とはほど遠いというか
なんというか
バンクシーとの仲は急速に良くなり
バンクシーが作った偽札を見せてもらったり
二人でディズニーランドに仕掛けに行ったりするように
このディズニーランドでの仕事で
あのディズニーランドのセキュリティに
捕まってしまった男が
バンクシーの名前も出さずフィルムも押収されず
しかもちゃんと録画フィルムは持ち帰る
というミッションをこなしたことで
二人の仲は確固たるものとなります
この優秀な記録者に対してバンクシーは
映画の製作を提案します
自分の仕事を正しく伝えてくれる人材として
彼を認めたという事だと思うのです
男はその期待に応えるべく
映像編集の作業に取りかかりますが
映画の客はその前に
この男の録画が単なる性癖であり
録画したテープの編集どころか管理も見直すことすらない
という事を知っています
それでも敬愛するバンクシーの提案です
彼にとっては神の啓示みたいなもんです
はじめて性癖を超えて作品製作に取り組みます
作成した作品は映像のコラージュ
脈絡無くいろんな人たちのいろんな仕事がつなぎ合わされ
音楽にあわせてエフェクトが入っている
という
少なくとも映画ではない何かができあがりました
バンクシーの評価も
ダメだこりゃ
ただ
友情は本物なので
適当にほめて
そろそろ自分が芸術活動してみたら?
小さいショーとかしたらいいんじゃない?
とさらに適当な助言をします
映画はダメだから傷つけないように
誰にも迷惑がかからないレベルでの活動を勧めた
というのがバンクシーの意図だったように見えます
が
男は猛然と奮起します
あの
バンクシーが自分に芸術家の道を勧めた
→
天才のお墨付きを得た!
→
ついに時は来た!
そこからの活動はほぼコメディ
男はとにかく一気にメジャー級の活動を展開します
大量のスタッフを雇い
自分は指示だけを出して作品を量産
大きな舞台でショーを行うべく
いろいろと動き出します
彼には何の実績も無いはずですが
実際に実績を積んだ何人ものアーティストとの交流があります
彼は有名芸術家が有名になってからの活動を
バンバン目撃していった男です
一流のやり方をたくさん目撃した男です
やり方だけは把握しているので進む事は可能なようです
単なる気楽な一言がそんな事になっているとは
バンクシーも思っていなかったでしょうが
イギリス在住の彼はアメリカで進行している事態にしばらく気づきません
観客としては当然
なんもわかってない勘違いしたおっさんが
とち狂って芸術とか言い出して
大失敗する展開を予想します
実際
途中でけがをした男はここまで無根拠に持ち続けていた
絶対的な自分への自信を失いかけます
そこでまた
バンクシーが手を貸します
軽い気持ちで言った一言で
友人が窮地に陥ってるとなれば
手をさしのべないではいられません
有能なスタッフを派遣することで
どうにもならなさそうだったショーが
また次第に形になりつつあります
と
作品を選ぶ仕事しか与えられなくなった男の目に
再び野望の炎が燃え上がります
また口を出し始める男
豊富な人材に宣伝を頼みます
なにしろ記録者としていろいろ手伝ってもらったし
基本的には見返りをもとめて
記録したり手伝いをしていたわけではないので
世話になったという感覚があったのだと思います
みんながこの背景のない新人芸術家のショーの宣伝に
手を貸します
沸き上がる世間の期待
みるみる調子に乗る男
この辺りから次第に空気が変わってきます
あれ?
成功しちゃうの?
男はすでに
単にスリルを求めてストリートを走り回っていた時の
純粋な変人ではなく
結構ギラギラに欲望をたぎらせたインチキ芸術家として
カメラにその姿をさらしていますが
にもかかわらず
ドキュメントのカメラが伝える世間は
彼を絶大な才能を持つ新進芸術家として受け入れつつあります
ショーの公開直前
かかわった人たちがうんざりしている中
彼は元気いっぱいです
そしてふたを開けてみると大盛況
まんまと彼のデビューは成功してしまいました
しかしながら
実体は何の芸術的背景も技術も持たない偽物
ショーの評価は散々で
膨大な借金が残るのみ
となると思ったら大間違いで
ショーの評判は上々
何ヶ月にも渡って続けられ
その後も仕事がどんどん舞い込み
作品は売れまくり
マドンナの作品のジャケデザインをし
今なお成功を謳歌してる
という
なんだそりゃ
現実かこれ?
とにかく作品としては男の変遷がおもしろいです
最初はちょっと変わったおっさん
何の損得もなく
ただカメラを回し続けるという自己の欲求に忠実で
その被写体と仲良くなるのがうまい
という害のないおっさん
だったのが
圧倒的な天才であるバンクシーと接触することで
自意識を肥大化させていきます
というか
この映画を観るまで
バンクシーという人を知らなかったのだけど
他の人とは全く違うレベルに見えました
他の人がそれでも少年っぽくキャアキャアやってるのに
バンクシーは完全に狙いすましている感じで
ただ
そのあまりの輝きに完全に男の精神が触発されまくります
誰もが認める天才に
君もやればいいのに
なんて言われたら
自分には才能がある!と信じ込んでしまうのも
わからないでもないです
ただ
小さいショーでも開きなよ
が
どこでどう間違って巨大なショーをいきなり
という展開になるんだって話で
そこがまさに後半のおもしろさで
今までの彼は自信がなかったわけではなく
そういう芸術関係に対する意志自体がなかった
という事だと思うのです
今まで開いてなかった目を
急に開けられたようなもんなので
その覚醒感はとんでもなかったのだと思います
で
一気に勘違いが加速する
と
ただ
その勘違いというのも
経緯を見せる映画を観ているから言えることで
作品だけを並べられて
この中に偽物がいます
といわれて正解する自信はありません
こうなると
怖いのは最初に彼に密着されていた芸術家たちです
自分たちがいろいろ考えてやった諸々を
すべてすっとばして成功を手にした男がいるわけです
金の問題ではありません
彼が評価されているということは
同じように評価されている自分もまた
たまたま何かの巡り合わせで評価されているだけで
偽物との間に差なんかないんじゃないか
ってことです
おそらく自分の芸術を理解してもらうため
彼らには彼らの苦闘があったはずですが
その苦闘と彼らのセンスが今の評価を作った
わけではない
という可能性をいきなり叩きつけられた形です
そりゃ揺らぐよ
いろいろ揺らぐよ
彼らには知性もセンスもあるので
誰もが男に対して悪し様に罵ったりはしません
ただ困惑の表情と静かな後悔をにじませるばかりです
モダンアートなんてものは
そもそもが評価の基準がよくわからないものです
絵がうまいとかへたとか
そういうレベルではないわけです
コラージュとかがメインだったりするし
誰かがコレは素晴らしいと言って
それに同意する人が多ければそれが評価になるのです
となると
最初に素晴らしいと言う人の影響力次第では
誰でも芸術として認められる可能性がある
というわけです
その
誰もが薄々感づいていた現実を
その最前線にいる人が
分かりやすい実例を用いて説明して見せた作品
というわけでこの映画はかなり衝撃作です
わざわざ公開するということは
バンクシーにはそれでも自分は本物である
という自負があるからこれを発表したのだと思います
途中に挟み込まれる偽札についての
バンクシーと主人公の会話
お札の女王をダイアナにした札を作って
試しに使ってみたら使えてしまった
使えちゃうと芸術じゃなくて偽札になっちゃうから
処分に困ってる
という話
世間の人は真贋を見極めたりはしない
偽物でも通用しちゃうけど
それを取り締まる法律はない
と考えると
通用しちゃうから処分しなきゃと考える芸術家の
認められても理解されないもどかしさ
みたいなものが見えてきて
なんだか切実な話だと思わざるを得ません
まぁ
芸術家じゃない身にとっては
やっぱりバカがやってのける痛快な話でもあるわけですが
何しろ評価されているという現実は強力で
じゃあ本当に彼の作品に価値はないのか?
と問われれば
他の評価されている作品と並べて
どこがどう劣っているのか?
と問われれば
明快に回答することは難しいわけで
結果
バンクシーのあの態度になるわけです
どう思う?
芸術無関係者としては
しらねーよ
という気分ですが
自分には芸術的センスがあると自負している人には
本当に聞いてみたいもんです
あれ
どう思います?
ダメだと言い切るのも
いいと言い切るのも
違和感がつきまとうこの感覚
最高にスリリングな映画体験でした
おもしろい
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時間的にいろいろと都合がよかったので
金曜最後の回を鑑賞決定
正体不明の天才ストリートアーティストが監督の
ドキュメント?
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ちなみにストリートアートとか
たいして興味も知識もありません
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客入りはぼちぼち
こじゃれた感じのデート映画に選ばれがち
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気後れしちゃいます
最初はだから
ストリートアートの人たちの真実の姿が
意外と悲惨だったり
実は堅い職業の人のもう一つの顔だったり
とか
そういう意外性の物語だと思っていたわけです
あるいは
センスに満ちた人たちが
なぜ自分がストリートで表現するのかを
得意げに語るような作品じゃないかとか
なにしろ客層がこじゃれてたんで
ところが実際の内容は
そんな人たちが唖然とするような
まさかの爆笑ドキュメント
だった
という
さらに
無条件に自分のセンスを良いもの
とする人たちにとっては
悪夢のような展開で
ドキュメンタリーであるという事の攻撃性が
ここまで豪快に発揮されている作品は
初めて見ました
これマジか?
マジでか?
と
繰り返し確認せずにはいられないです
恐ろしい
そして
おもしろい
芸術ってなんだろう?
という疑問を持っている人にお勧め
自分のセンスに疑問を持つ人にも自信のある人にもお勧め
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世の中に興味があるのならやっぱりお勧め
というか
本当に映画好きとかサブカル好きとかは
みんなに
全員に漏れなく観て欲しいです
とにかく
これどうよ?って感じ
監督のバンクシーも多分そんな感じです
これどう思う?
というわけで
内容にふれるネタバレ感想は以下
あらすじ書いちゃってるけど
何かを考えるためには作品をみる必要がありますので
興味のある人は是非映画をみていただきたいです

導入から登場する謎の天才アーティストにして
今作品の監督であるバンクシーが語るのは
バンクシーを映画作品にしようとした男の物語
特に何の意味もなく
ただひたすらにビデオカメラを持ち歩き
ただひたすらになんでも記録する癖を持つ男の物語
そんな彼が親戚にストリートアーティストがいたことから
その活動を記録する事になるという展開
男の本職は古着屋で
ちゃんと成功はしているみたいなので
多分いろんなセンスはあるとは思うのです
が
あくまでも彼の立場は記録者
ただ
単なる記録者にしてはアーティストに協力しまくりで
故にアーティストにも受け入れられていきます
そもそも落書き扱いされる篭城芸術家達の仕事は
記録されない限り消されてしまう事が多いので
記録者が求められていた
という側面もあったようです
次々とその筋では有名なアーティストを記録していく男
そんな彼が会いたいと切望していた
世界的に有名なバンクシーとついに接触し
次第に彼に信用されて行動を共にしていく
という展開です
普通の映画をそれなりに数観てきた者としては
自然とこの男が芸術家に触発されて常識を無くしていき
やがて身の破滅を招く
という展開を予想してしまいます
ところが
この男自身も映画内で
おそらく現在の姿で元気に
たびたびインタビューに答えていて
その姿が不幸とはほど遠いというか
なんというか
バンクシーとの仲は急速に良くなり
バンクシーが作った偽札を見せてもらったり
二人でディズニーランドに仕掛けに行ったりするように
このディズニーランドでの仕事で
あのディズニーランドのセキュリティに
捕まってしまった男が
バンクシーの名前も出さずフィルムも押収されず
しかもちゃんと録画フィルムは持ち帰る
というミッションをこなしたことで
二人の仲は確固たるものとなります
この優秀な記録者に対してバンクシーは
映画の製作を提案します
自分の仕事を正しく伝えてくれる人材として
彼を認めたという事だと思うのです
男はその期待に応えるべく
映像編集の作業に取りかかりますが
映画の客はその前に
この男の録画が単なる性癖であり
録画したテープの編集どころか管理も見直すことすらない
という事を知っています
それでも敬愛するバンクシーの提案です
彼にとっては神の啓示みたいなもんです
はじめて性癖を超えて作品製作に取り組みます
作成した作品は映像のコラージュ
脈絡無くいろんな人たちのいろんな仕事がつなぎ合わされ
音楽にあわせてエフェクトが入っている
という
少なくとも映画ではない何かができあがりました
バンクシーの評価も
ダメだこりゃ
ただ
友情は本物なので
適当にほめて
そろそろ自分が芸術活動してみたら?
小さいショーとかしたらいいんじゃない?
とさらに適当な助言をします
映画はダメだから傷つけないように
誰にも迷惑がかからないレベルでの活動を勧めた
というのがバンクシーの意図だったように見えます
が
男は猛然と奮起します
あの
バンクシーが自分に芸術家の道を勧めた
→
天才のお墨付きを得た!
→
ついに時は来た!
そこからの活動はほぼコメディ
男はとにかく一気にメジャー級の活動を展開します
大量のスタッフを雇い
自分は指示だけを出して作品を量産
大きな舞台でショーを行うべく
いろいろと動き出します
彼には何の実績も無いはずですが
実際に実績を積んだ何人ものアーティストとの交流があります
彼は有名芸術家が有名になってからの活動を
バンバン目撃していった男です
一流のやり方をたくさん目撃した男です
やり方だけは把握しているので進む事は可能なようです
単なる気楽な一言がそんな事になっているとは
バンクシーも思っていなかったでしょうが
イギリス在住の彼はアメリカで進行している事態にしばらく気づきません
観客としては当然
なんもわかってない勘違いしたおっさんが
とち狂って芸術とか言い出して
大失敗する展開を予想します
実際
途中でけがをした男はここまで無根拠に持ち続けていた
絶対的な自分への自信を失いかけます
そこでまた
バンクシーが手を貸します
軽い気持ちで言った一言で
友人が窮地に陥ってるとなれば
手をさしのべないではいられません
有能なスタッフを派遣することで
どうにもならなさそうだったショーが
また次第に形になりつつあります
と
作品を選ぶ仕事しか与えられなくなった男の目に
再び野望の炎が燃え上がります
また口を出し始める男
豊富な人材に宣伝を頼みます
なにしろ記録者としていろいろ手伝ってもらったし
基本的には見返りをもとめて
記録したり手伝いをしていたわけではないので
世話になったという感覚があったのだと思います
みんながこの背景のない新人芸術家のショーの宣伝に
手を貸します
沸き上がる世間の期待
みるみる調子に乗る男
この辺りから次第に空気が変わってきます
あれ?
成功しちゃうの?
男はすでに
単にスリルを求めてストリートを走り回っていた時の
純粋な変人ではなく
結構ギラギラに欲望をたぎらせたインチキ芸術家として
カメラにその姿をさらしていますが
にもかかわらず
ドキュメントのカメラが伝える世間は
彼を絶大な才能を持つ新進芸術家として受け入れつつあります
ショーの公開直前
かかわった人たちがうんざりしている中
彼は元気いっぱいです
そしてふたを開けてみると大盛況
まんまと彼のデビューは成功してしまいました
しかしながら
実体は何の芸術的背景も技術も持たない偽物
ショーの評価は散々で
膨大な借金が残るのみ
となると思ったら大間違いで
ショーの評判は上々
何ヶ月にも渡って続けられ
その後も仕事がどんどん舞い込み
作品は売れまくり
マドンナの作品のジャケデザインをし
今なお成功を謳歌してる
という
なんだそりゃ
現実かこれ?
とにかく作品としては男の変遷がおもしろいです
最初はちょっと変わったおっさん
何の損得もなく
ただカメラを回し続けるという自己の欲求に忠実で
その被写体と仲良くなるのがうまい
という害のないおっさん
だったのが
圧倒的な天才であるバンクシーと接触することで
自意識を肥大化させていきます
というか
この映画を観るまで
バンクシーという人を知らなかったのだけど
他の人とは全く違うレベルに見えました
他の人がそれでも少年っぽくキャアキャアやってるのに
バンクシーは完全に狙いすましている感じで
ただ
そのあまりの輝きに完全に男の精神が触発されまくります
誰もが認める天才に
君もやればいいのに
なんて言われたら
自分には才能がある!と信じ込んでしまうのも
わからないでもないです
ただ
小さいショーでも開きなよ
が
どこでどう間違って巨大なショーをいきなり
という展開になるんだって話で
そこがまさに後半のおもしろさで
今までの彼は自信がなかったわけではなく
そういう芸術関係に対する意志自体がなかった
という事だと思うのです
今まで開いてなかった目を
急に開けられたようなもんなので
その覚醒感はとんでもなかったのだと思います
で
一気に勘違いが加速する
と
ただ
その勘違いというのも
経緯を見せる映画を観ているから言えることで
作品だけを並べられて
この中に偽物がいます
といわれて正解する自信はありません
こうなると
怖いのは最初に彼に密着されていた芸術家たちです
自分たちがいろいろ考えてやった諸々を
すべてすっとばして成功を手にした男がいるわけです
金の問題ではありません
彼が評価されているということは
同じように評価されている自分もまた
たまたま何かの巡り合わせで評価されているだけで
偽物との間に差なんかないんじゃないか
ってことです
おそらく自分の芸術を理解してもらうため
彼らには彼らの苦闘があったはずですが
その苦闘と彼らのセンスが今の評価を作った
わけではない
という可能性をいきなり叩きつけられた形です
そりゃ揺らぐよ
いろいろ揺らぐよ
彼らには知性もセンスもあるので
誰もが男に対して悪し様に罵ったりはしません
ただ困惑の表情と静かな後悔をにじませるばかりです
モダンアートなんてものは
そもそもが評価の基準がよくわからないものです
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そういうレベルではないわけです
コラージュとかがメインだったりするし
誰かがコレは素晴らしいと言って
それに同意する人が多ければそれが評価になるのです
となると
最初に素晴らしいと言う人の影響力次第では
誰でも芸術として認められる可能性がある
というわけです
その
誰もが薄々感づいていた現実を
その最前線にいる人が
分かりやすい実例を用いて説明して見せた作品
というわけでこの映画はかなり衝撃作です
わざわざ公開するということは
バンクシーにはそれでも自分は本物である
という自負があるからこれを発表したのだと思います
途中に挟み込まれる偽札についての
バンクシーと主人公の会話
お札の女王をダイアナにした札を作って
試しに使ってみたら使えてしまった
使えちゃうと芸術じゃなくて偽札になっちゃうから
処分に困ってる
という話
世間の人は真贋を見極めたりはしない
偽物でも通用しちゃうけど
それを取り締まる法律はない
と考えると
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認められても理解されないもどかしさ
みたいなものが見えてきて
なんだか切実な話だと思わざるを得ません
まぁ
芸術家じゃない身にとっては
やっぱりバカがやってのける痛快な話でもあるわけですが
何しろ評価されているという現実は強力で
じゃあ本当に彼の作品に価値はないのか?
と問われれば
他の評価されている作品と並べて
どこがどう劣っているのか?
と問われれば
明快に回答することは難しいわけで
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どう思う?
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しらねーよ
という気分ですが
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