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映画 エレクション&エレクション死の報復(2作同時) [映画]

ジョニー・トーに興味あるのでこっち
まさか前売りに残りがあるとは知らず
だったら先週分を第1候補にするべきだった
とか
そういうことを言わない

美学少な目のジョニー・トーはどうですか?

事前に知ってる内容はほぼなし
暗黒社会ものってよ?

2本同時に

エレクション&エレクション死の報復

イベントだから会場はもちろん満席
前回よりもおしゃれ男女が増えてる気がします
たまたま?

内容は申し分なし
というか事前のトークショーでの
宇多丸さんのあおりが過剰だったので
嫌がらせを受ける覚悟が十分すぎて
余裕で受けきりました
何の自慢だ

笑顔と狂気とまっとうな感覚が
一人の人間に矛盾なく入るという
でたらめになりかねない描写を
ぎりぎり微妙にでたらめ方面に踏み込みつつ
説得力を与えるという
この強引なまでの力強さは
やっぱりジョニー・トー
緻密じゃなくても説得力がある

というわけで
工夫に満ちた嫌がらせ映画を見たい人には
強めのお勧め
なにしろ公開は一週間のレイトショーのみ
いや
DVD買うってならそれでもいいけれど

終了後のトークショーでも名前が挙がっていましたが
「アウトレイジ」を連想する展開なので
ああいう暴力連鎖が嫌いな人にはお勧めしません
あっちよりずっとえぐいし
なにしろ
やってる人達がそろってくたびれた感じなのが怖い

やりたくないけどやる暴力って
狂気に満ちた暴力より怖いんじゃないかとか

いいキャラが次々と出てくる展開は
さすがのジョニー・トー作品
たのしー

両方まとめて詳細感想は以下
ネタバレももちろんするので観る予定の人は注意
何でも起こりうるせいで先の読めない展開なので
ネタを知らずに観るべき映画だと思います

P1000162.jpg


エレクション(黒社会)
香港の裏組織が
伝統だからってんで
2年ごとに選挙で会長を変えていて
再選もないって言うんだから
適当にクルクル回せばいいのに
どうしても手に入れたい跳ね返りがはしゃぎだして
大騒ぎになる話

いきなり固有名詞がとびかう展開に
プレッシャーを感じたものの
物語は主要な会長候補が二人しかいないので
登場人物数の割には
さほどややこしくもありません

中盤からは
会長継承に必要なものとして
変な棒の奪い合いが展開されますが
基本的には同じ組織内でのもめ事で
陣営がばっつり二つに分かれている訳でもないのか
話し合いで敵味方が入れ替わるので
どっちが有利かとか考えずに
最終的に誰に棒がわたるかを観ておけばよいかと

重要なのは大体の状況が決する終盤
それでも危うさの残る二人の関係の緊張感で
観客をさんざん翻弄しておきながら
最後の最後で唖然とさせる演出で
ここまであからさまな描写で呆然とさせられるとか
まぁ恐ろしい

そもそもこの映画
2も含めて緊張感を煽る演出が素晴らしく
ホラー映画の何かが出てきそう演出とは異なり
どっちを選ぶんだ?とか
どっちが出てくるんだ?とか
その結果によって物語の転がり先が変わる
という場面での引っ張り方が見事

この執拗なタメをさんざん見せつけておいて
重要な結論をタメなしで挿入とかされたら
そりゃびっくりするよ

ましてや呆然としたままの観客を放り投げて
家に帰っちゃうんだからたまったもんじゃないです
素晴らしい

他によかったのは序盤のレンゲ食い
とか
棒リレーの中盤
たばこがトレードマークの彼のふてぶてしさ
とか
棒リレー終盤
暗殺者の刃ねじこみと
イケメンのだるそうに行うギャグみたいな樽攻撃が
同時に行われるあのアクションとか
最高でした

特に最後の路上の暴力爆発描写は
スピード感もなくそれぞれが好き勝手にやってるのに
妙に統一感があって美しく
やたらとカメラを揺らしたりカットを多くして
ちゃかちゃかしてアクションを派手に見せる手法とは
全く別のアクションで
ジョニー・トーの美学はちゃんと出てます
銃がなくても十分に

やっぱ面白い

エレクション2死の報復(黒社会~以和為貴~)

1作目から2年経つから次の会長選挙です
という内容

そうか
これ永遠にシリーズ化できるじゃないか
2005年・2007年とやったんだから2009年もあるはず
観たいなぁ2009年版

わかりやすくでたらめな人間はいないはずなのに
前作以上のでたらめが展開される恐ろしい一本

普段からでたらめな言動をする人より
普段はまともな人間が爆発して行うでたらめの方が
ずっと恐ろしいという事を
これでもかという具体的な嫌描写で伝えまくりです

なにしろ今回は普段は評判のいい二人による会長選です

兵隊の奪い合いと潰し合いがガンガン行われますが
前作で内紛はまずいとかあれだけ言っていたのに
圧倒的な内紛じゃないですか
原題サブタイトル「和を以て貴ぶと為す」は飾りか?

変な棒リレーで仲のよかった「兄弟」が
ぱっきり陣営を割って抗争します
ひどい

新キャラのヒットマンが力を見せたくてうずうずしてたり
前作からのヒットマンがもんもんとして失踪したり
重要そうな新キャラがさっくり退場させられたり
作戦上必要な裏切りを呼び込む手段が犬だったり
とにかく予想を上回るカオスな抗争ですが
実はメインキャストがそれほど殺しあうわけでもなく
意外なほど多くのキャラが生き残ってます

暴力の火種は大量に残ってます

とはいえ今回の勝者は暴力をやりきることで
この連鎖からの離脱を試みているわけで
一応完結編だからな
とか思っていたら
さすが水滸伝の国である中国
国家に仇為す裏組織が単に美学を通してきれいに終了
なんてことを許すわけがありませんでした

命がけの争いの勝者の元には
直接の殺し合いには無関係だった
国という巨大組織が嫌な話を持ってきます

単純に2年後にまた地獄が生まれるのが必至
という展開

2年後の彼の選択がどちらに向かうのか
という興味をもたせたまま終了
って
これで続編がないとか信じられない

命を助けられつつも
誰かの下につくことをやめたヒットマンとか
強力なヒットマンを返り討ちにしたまま消えた男とか
火種は残り続けているし
消してしまった象徴が今後に与える影響とか
伏線に見える描写がゴロゴロしてますよ

すげぇ
とりあえず制作が決定したというアウトレイジ2が
これを超えられるのか
せめて並べるのかに期待

あくまでも
やってるのは単なる会長選挙というのがすごいです
この単純な筋に奇っ怪なディティールというバランスは
大変好物です

買ったまま観てないジョニー・トーの「スリ」を
いつ観ようかと考え中

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